壁框内寸、二尺五寸。横壁と長押・下段・台輪が固定された広島型によく見られる箱型の造りのもの。
前金とは、段周り及び障子框全面が箔押し仕上げしてあるもの。障子框の金箔は、経年による歪みや開閉の際の接触で、金箔が擦れているものがほとんどです。
壁框も障子前面の箔押しに合わせた意匠に。この意匠のない前金は扉裏の框も箔押すことになります。
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分解、洗浄、木地直し、塗り替え、箔押し…と、いつもの塗替え作業を経て、組立へ。
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箔押し部分が多いので、金具打ち・組み立てにはいつもより気を遣います。
横壁が固定されていること以外は、基本的に通常通り。
出来上がり。
塗替えはどうしても塗面が厚くなってしまうので、木地直しの段階で障子框を左右一分程削って隙間を多めにとりました。当面は金箔部分が接触することもないと思います。
前金の塗替えは、金箔を多く使うので気が張りますが、そのぶん出来上がった時には金箔にしか出せない荘厳さを感じます。
金というものに成金趣味的な派手さを感じる方も多いですが、金は本来、その金属としての性質から、永遠性=極楽浄土を表すために仏教美術(すなわち日本美術)に多く用いられます。仏壇本来の意匠からすれば金仏壇は理にかなったものと言えるかもしれません。(もちろん、現代の住環境との兼ね合いあっての話ですが)
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