高さと下台

改築で仏間の地袋がなくなったとの事で、高さに合わせて仏壇下台を制作。

正面は木痩せで板目が出ないように布(寒冷紗)を張ります。漆器では布着せと呼んだりしますね。

布着せ→下地塗り→下地ヘラ付け→中塗り→上塗り→出来上がり。下段部分は引出しです。
今回は仏間改築により元の地袋と同じ高さで下台を製作しました。既製品の下台もありますが自由度が限られますしシンプルなものが少ないので、状況に応じて作ったほうが高さや仕様の要望に応えることができるかと思います。10cm高さ位置が違うだけでも印象や使い勝手が違いますよ。

こちらは唐木仏壇用に作った下台。紫檀色に合わせて溜塗り。

足を悪くされ正座がつらくなり、低めの椅子に座って仏壇と向き合うことが多くなったとのことで、椅子に座った状態でこれまでと同じ目線の位置になるよう下台を製作しました。御仏飯の交換も楽になったとのことです。

仏壇をデザインや質感だけで選ばれる事もままありますが、仏壇は単なる置物ではなく「日常的に使う場所」ですので、無理なく向き合える高さも選択のポイントです。

(写真はお客様確認済みの物件のみ掲載しています。転載・転用は固くお断りいたします)