6月4日〜7月6日に行った内陣框漆塗り。
塗替え前の状態。脇壇と余間壇の框に段差があるのは、床補強時の都合によるもののようで。元の框の塗装面の下地は、布ではなく和紙によるもので、湿気で木地との剥離が進んでいました。剥がすと虫食いもところどころ。
脇、余間との段差についてはやむなし。ということで、表面に新たに板を打ち付ける。
塗り工程の第一段階、「布着せ」。木の伸縮による継ぎ目の割れ、釘部分の痩せが表面に出ないようにするためです。
以下、作業工程を箇条書きにて。
布着せの終わった表面を研いでならす。
地乃粉下地をヘラ付け。
水研ぎ。
砥乃粉下地をヘラ付け。
水研ぎ。
下塗り。
水研ぎ。
古新聞、プライスレス。
下地ではわからなかった微細な穴などを埋め、中塗りへ。
そして、水研ぎ。研いでばっかり、それが漆塗り。
現場作業の場合、漆の乾燥速度を読みにくいので、乾燥速度テストを。
上塗り漆は吉野和紙を六枚重ね、濾す。
梅雨時期ということもあり乾燥速度が早過ぎた感がありましたが、完成。
祖師前(右脇)壇框と右余間壇框。
左余間壇框と御代前(左脇)壇框。
実作業日数は二週間ほど。
以上、框幅25センチ、長さ合計11メートルの作業でした。