木製屋号看板の修復。
ベースがコルク(?)質の軽量な木材で出来ており、持ち上げると割れそうなほどに脆くなっていた。
文字は木彫ですが、吹付け塗装だったので、古くてもせいぜい40〜50年前程度かもしれない。サーフェーサーにて下地。
箔押しは屋外耐性のある箔押し材にて行う。箔下にはポリサイトを使用。
ちなみに、昔は社名や店名を金箔で施したガラス戸をよく見ましたが、当時は箔押しができる看板職人は一生食っていけると言われていたそうです。今はそういうガラス戸もめっきり見かけませんが…。(当時の看板職人によるとガラスにはゼラチンで箔押してたそうな)
本田。
出来上がり。
脆くなったベースの板材は新しくするに越したことはないのですが、元のままを使用したいという希望だったのでエポキシレジンで固めた。(欄間修復と同じ材料。詳細は「欄間修復:エポキシ充填による木地補修について」にて)
表面にはまだ濡れたような質感残ってますが、日を経て次第に落ち着いていきます。
木彫であっても新しくすることは割りと簡単。現状のまま新しくしたいという気持ちに老舗というものを感じた次第です。これからまた永くお店の顔を務めてくれたら幸いです。
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