尺六京型胴長(一)木地

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幅的には尺六仏壇ですが、高さは二尺五寸クラス。幅の割に、奥行きと高さのある仏間。

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幅に対して高さがある仏壇なので、宮殿屋根も若干長体に。掛軸の寸法は決まっているため、この宮殿屋根下の柱長(高さ)の自由度はあまりない。

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引戸の高さも大きめに。塗り仏壇というのは基本仕様が決まっているので、目長や須弥壇下の段周りの部分で内部空間が間延びしないようバランスを。

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素地は、木地師・宮殿師・彫刻師からそれぞれ出来上がっくる。各部材を仮組みし、塗るための見当をつけたら再びバラし、下地へ。

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戸板、壁も杉板材。布(寒冷紗)を下地で固めて、割れ止めと木痩せ止め。布着せとか布(紗)張るとか呼び方はいろいろ。

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布着せが済んだら再度仮組み。仏具を置く段周り上面や壇框などの落下傷がつきやすい部分は布。 中段前、下段前など金具が当たる部分は和紙にて。(横壁外側も布着せします)

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一般的な塗り仏壇の平面部分に使用されるシナ合板は、布着せの必要が無いので効率・均質という点では優秀です。見える部分は全て塗装してしまう塗り仏壇の場合はなおさら素地が見えないので、今回のように杉材の木地であるかは、組み立て後は分解してみないとわかりません。逆に言えば、次の分解…煤抜きなり塗替えなりをした時に、昔ながらの手間がかかってるな、と次代の職人が思ってくれる部分こそが価値といえるかもしれません。

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