二尺東塗替えとカスタマイズ

二尺金仏壇(東)の塗り替え。この機に「大柱(下段から長押に通った柱。伊達柱)を新たに設けたい」「中段を広くとりたい」との希望をお客様からいただき、塗替えとちょっとしたカスタマイズを同時進行しました。

このような感じの金具の傷みは油煙によるところが大きい。錆も出ていたので金具は全て本金メッキ直しにて。

中段に仏飯器と茶湯器を置きたいとのご希望。新たにスペースを設けるため中段を作り替えることにしました。

横壁は花や仏具との接触も多く金箔が傷みやすいですね。

さらに横壁には割れが上まで通っていたので布下地を施すことにします。

古仏壇は虫の死骸やフンなどのゴミが必ず溜まってます。泡みたいなので表面だけの洗浄で済ます業者も多いですが、自分としては分解洗浄をおすすめします。高くはなりますけど。

大柱と中段は新たに作り替える。 中段には仏飯器と茶湯器を楽に上げ下げできるスペースを設けました。仏飯器は華瓶(けびょう)と共に上段に置くことが浄土真宗のスタンダードですが、上段は少し奥になるので取りづらいんですよね。

大柱に合わせて金具も新調。東(大谷派)の柱類は黒塗り。西か東かの簡単な見分け方です。

中段に出っ張りができたので下段に物を置きづらくなりましたが、下段引き出しを使ったり、前机を使うことで対応できます。

仏具の飾り方には宗派によってルールがありますが、長年ご家庭で受け継がれたルールや地域性も無視はできません。例えば浄土真宗は水やお茶のお供えは不要とされていますが、お供えされるご家庭も多く、それを一概に「不要です」というのは我々の仕事ではありません。基本的な情報はお伝えしますが、お寺にご相談されてくださいと一言添えます。特に浄土真宗であれば、あまり因われすぎなくて良いですよ、と答えてくれると思います。

(写真はお客様確認済みの物件のみ掲載しています。転載・転用は固くお断りいたします)