壁框内巾、二尺 (外側台巾72cm程)。胴長とは、地袋のない仏間用の仏壇。
全体的に総塗り替えほどの痛みではなかったので部分塗り替えにて。良心的。
須弥壇、小柱は箔押し替え。須弥壇は中段を拭いたりと日常のお参りで接触することが多いのでどうしても金箔が擦れてしまいます。同じく小柱も花鋲を扱うので擦れている場合が多いですね。彫刻、宮殿屋根などは、線香の燻された油分に固着した埃を苛性ソーダで洗い落とすだけで、箔自体には痛みは無さそうでした。
青サビの浮いた金具はメッキ直しへ。
戸裏の金箔部分は、過去に誤って拭いてしまわれたようで、盛大に擦れ有り。
障子の組子に欠損。組子そのものはしっかりしてましたが、欠損部を継ぐので全組子塗り替え、箔押し直し。
その他、欠損箇所や塗り・箔の状態を確認し、各部の補修、下地、塗りの作業へ。
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横壁、金箔押したての余分な箔を払う前。金箔の光沢を抑えた「重押し」にて。金箔表面の光沢具合は、下に塗られる箔下の塗装具合でも決まるので、下地からの塗り替えは必須です。
各部箔押し完了。
蒔絵は剥離なく、洗いのみ。
金具のメッキ直しは、消し仕上げにて発注しました。
仏壇の印象を決める目長彫刻は、箔も弱っておらず洗いのみで。
最終的に塗り替えた主な箇所は、中段、下段、須弥壇、長押、薄引き出し、雑巾摺りなど。
箔押し替えた主な箇所は、障子組子、戸裏、壁三面、須弥壇、中段面、雑巾摺り面、小柱など。
箔押しについては基本的に光沢を抑えた「重押し」にて行いますが、元の仏壇の仕上げに合わせて「艶押し」を行うこともあります。大阪系の仏壇に多いですかね。
障子框は塗り替えてませんが、金具のメッキ直し、組子の紗を張り替えるだけでもグッと新しくなった感じになりますね。
浄土真宗本願寺派 京型仏壇、部分塗り替え、箔押し直し出来上がり。
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