欄間框の塗りと設置

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元の欄間框の剥離・歪みが大きかったのと、今回の欄間彫刻補修で増した重量を支えられるか微妙だったので、欄間框は新たに。出来上がってきた木地の節目をエポキシで埋める。

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布着せ。寒冷紗を下地二号で貼る。下地二号はカシュー系ですが、地乃粉分が多いので漆下地にも有効です。

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砥乃粉と接着剤と混合した砥乃粉下地。液状を二回(先に貼った寒冷紗に食いつかせる役目)、ペースト状を二回ヘラ付け(下塗り前に表面を平坦にする役目)。最後に水研ぎで平滑にする。砥乃粉は保水力が高いので、この後の下塗りの食い付きと内部乾燥を促します。ただ、無駄に厚く砥乃粉下地を施すと、逆にこの保水力があだとなって経年による下地弱りに繋がります。故に、水に浸かることが前提の漆器などにこのようなタイプの砥乃粉下地が使われることはありません。(漆を厚めに盛る場合のつなぎとして砥乃粉を混ぜることはありますが)

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下塗り。からの、研ぎ。框の木材が厚くなったことで、後々の湿気による狂いの可能性があるので、側面裏面の見えない部分も塗ることに。隠蔽塗装にすることで過分な湿気吸収や虫食いを抑える。

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上塗り。と、面朱塗り分け。

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木地直し、下地、下塗りさえキチンとやっておけば、上塗りは誰がやってもある程度キレイになります。

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金具を打って、欄間框出来上がり。

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彩色した彫刻をはめ込む。彫刻補修の重量増とそれを支える框も厚めに作り直したので、なかなかの重量に。元の彫刻と框の連結は裏側で針金で釣ってあるだけでしたが、彫刻の隙間から見えてしまっていたので、今回はT字金具、L字金具を複数枚使って連結。

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足場組んで、四人がかりで持ち上げ設置。

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外陣柱の間隔は一間。180cm巾の欄間ですが、上げると小さく見えますね。