2. 塗りと箔押し (京型尺六 東)

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前回の下地からの続き。さらに下塗りを塗って、研ぎ。

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中塗りに五分消し。箔押し部分はそのままに、研ぎ。塗って、乾かし、研ぐ、の繰り返し。

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箔押し以外の部分に上塗りを。これでひとまず塗りは出来上がり。ここまで2週間ほど。主に乾燥期間。乾燥は中三日ほど置いたほうが締まりが良い。

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五分消しを塗った箔押し部分には、箔押漆を三種類の粗さの拭き綿にて段階的に拭き上げる。薄く、薄く。

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箔押し。金箔は縁付二号三枚掛にて。
金箔には大まかに「縁付(えんつき)」と「断切(たちきり)」の二種類あります。縁付は職人による金箔、断切は機械による金箔。縁付は断切の1.5倍くらいの価格になるでしょうか…。違いについてはまた別の機会に。
箔は貼るというより置くという感覚が近い。置いた金箔を密着させるために真綿で押すことから箔押しと呼ばれている。写真は押す前。

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余分な箔を払った後。箔下を五分消しで塗るのは、金箔の仕上がりを艶消しにするためです。

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バラして塗って箔押した宮殿を再び組み立てる。宮殿や彫刻の箔押しは、技術的には非常に簡単なのですが、簡単な割に時間がかかる…。破風前を黒く塗るのが東仕様。

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彫刻も細部まで金箔が行き届くよう、バラして塗って箔押して、接着。

全ての部品の塗りと箔押しを済ませ、金具を打ち、組立へ。

1. 木地と宮殿と彫刻と下地

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