砥乃粉下地を研いだ後サンドペーパーで空研ぎし、中塗りになります。 上塗りの前に下地の荒さを抑えるために塗る中塗りは、乾燥後、水研ぎ(600番程度)するので 上塗りほど神経を使う作業ではありません。 しかし後の水研ぎで苦労しないように縮みや塗り厚の違いには気を付けなくてはなりません。
上塗りでは修正がきかないので、この段階で細かい傷や細かな気泡なども全て埋めて研ぎ上げます。 (写真は水研ぎ後)




漆刷毛

塗り直後の刷毛筋
漆刷毛
漆塗りの刷毛は人の髪を固めて作られたもので、 非常に耐久性があり、削っては芯を出し十数年は持つ。 また、漆は高い粘性をもっているのでかなりのコシの強さが必要とされる。
塗り直後は刷毛のコシと漆の粘性もあいまって刷毛筋がでる。 刷毛筋は乾燥時間とともになだらかになっていくのだが、小一時間程度じゃわからない。 美しく塗るためには乾燥後の状態を予測できねばならない。 漆塗りは、塗りそのものの技術もさることながら乾燥に対する経験が重要。

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塗りの工程--| 1.木地 | 2.布張り下地 | 3.砥乃粉下地 | 4.中塗り | 5.上塗り | 6.摺り漆 | 7.金箔押し |